fu do ki
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グァテマラが何処にあるか答えられる人は少ないだろう。メキシコの直ぐ南にある国、正式には「グァテマラ共和国」。言葉はスペイン語を話し、お金はケツアル、人々は現地人インディヘナがほとんどだ。
日本との関係はコーヒーかな。日本からは直行便が無いのでロスがヒューストンで乗り継ぐのが便利だ。丸一日かかる。息子のSがアンティグアという町でスペイン語の勉強をしているので会いに行くことにした。こんな事が無いと一生行かない国かもしれない。
数年前にニューヨークに遊びに行き、そこの友達と何処かに旅へ行こうということになり、僕は織物が好きなので染織で有名なグァテマラと言ったら、彼女が「お金持ちのアメリカ人はグァテマラなんかには行かないわよ」と反対され行き先がコスタリカになったことがある。そのころはアメリカの新聞に街角に死体が転がっているグァテマラの記事が出ていた。それ以来の思いがかなって出かけた。

成田を夕方出発してロスに朝到着、グァテマラ行きの飛行機は深夜なので近くのホテルに チェックインをして休憩とロス見物。 深夜12時過ぎのユナイテッド航空889便でグァテマラへ出発。 途中飛行機は落っこちる、と心配するほど揺れて、寝ることも出来ず。 友達のパイロットの話では飛行機は飛ぶように作られているのでよっぽどの事が 無い限り墜落する事は無いそうだが。
ロスからの飛行機は早朝グァテマラシティーの飛行場に到着。 眠い目をこすって冷え冷えとした空港の中を歩き荷物のターンテーブルへ。 徐々に荷物が出始める、僕たちの荷物がなかなか出てこない。 だんだんと周りの人の数が減ってきて、不安になる。 1時間も過ぎた頃係りの人が来て、荷物はこれで全部だ、と言った。 そんな馬鹿な、まだ受け取ってないのに。
周りにはまだ10人以上の人が唖然として待っている。 と思ったらホールの端のほうに何やら列が出来ているので見に行くと そこにはデレイラゲッジのカウンターがあり、荷物が届かない人が この先の連絡先や荷物の数、特徴などを登録している。 こんなカウンターが常にあるのは荷物の遅れは日常茶飯事なのか。 どうしたのか聞いたら、荷物の量が多くてロスの空港に積み残しがあるそうだ。 そう言えばロスの空港でチェックインをしていた地元風の人達が持っている荷物は 半端じゃなかった。普通のスーツケースの倍はある黒い荷物を1人で2個は持っていた。 この時期クリスマスで帰る人の荷物はいつもこんなにあるらしい。 30分以上並んでやっと順番が来て、これから行くホテルの名前や荷物の 特徴を話して、控えを貰って空港を後にした。

翌日、ロスからの便が同じ時間なので昼ごろには来るかな? と日本の宅急便の感覚で待っていたら一向に来ない。 そのうちに日が暮れて夜になってしまった。 まあ、グァテマラだから仕方ないかな、と余裕で次の日に期待をした。 三日目も夕方になり、さすがに心配になって空港へ電話をしたら、こちらには 到着しているのでで間違いなく届けるからとの返事。 仕方なく町のスーパーで下着を買ったり、子供のシャツを借りたりで何とか過す。 四日目の朝になり空港で見かけたアメリカ人がやはりその時と同じ洋服を着ているので 話しかけたら同じ状態。ホテルに頼んで電話をしてもらったら、今日届けるとの 返事があったそうなので同じようにフロントの女性に連絡を頼んだ。 もうこれで大丈夫と思ったらまだ甘かった、夜中になっても来ない。 ついにティカルへの移動の日になってしまった。 日本から着て行った同じスタイルで遺跡見物に出発だ。
飛行場に寄って荷物のことを問い詰めたらまだ空港にあるとの返事。 開いた口が塞がらない、文句を言ったら「私は送るように指示をした」の一点張り。 頭にきたので「もう荷物に触るな、帰ってから取りに来るから」きつく言い残して遺跡に 向かい、一泊して元のホテルに帰ったらなんと荷物が届いている。 届けろ、と言ったらダメで、届けるな、と言ったら届く。 まったくどうなっているんだろうか?
グァテマラの友達に話したら、こちらではこんなもんだそうで、日本とは相当に感覚が違う。 これくらいの事にカリカリしていたら早死にするよ、だって。メキシコより南では時間通り、予定通り物事が進むと思うのが間違い。教訓として必要最低限の下着や洗面道具、薬は機内持ち込みにする事。

目的のアンティグアまでは飛行場からタクシーで山を登り40分くらい、料金は20ドル。
町の中心の公園でSが寒そうに待っていた。予定の到着よりも2時間近く遅れて可哀想な事をした。 アンティグアはグァテマラ一の観光都市、といっても日本の基準で言えば小さな町。1時間も町を歩けば知り合いに数回会ってしまう。そんな広さだ。
アンティグアはスペイン語で「古い」と言う意味。確かに町並みは古い。
道はほとんどが石畳で自転車はもの凄く走りにくいし、車も揺れる。グァテマラシティー行きのバスが真っ黒い排気ガスを出し「ガテ、ガテ」と叫んでお客さんを集めながら走る。 グァテマラに来た外国からの観光客はほとんどこの町を訪れる。 ここで有名なのはアグン山、富士山と同じ形をしている山だ。 5時間くらいで頂上まで登れるが、ガイドがいないと無理だそうで それにたまに強盗が出る。 。

グァテマラ国は未だ政情が不安定で、反政府運動も活発に起こり、 銃による殺人事件もたまにある。 アンティグアはそういう国の中では一番安全と言われている町だ。 ここが危ないと観光客が来なくなってしまうから。 それでも町の銀行の入り口にはショットガンを持ったガードが必ずいるし、 商店には頑丈なシャッターが付いている。 もう一つアンティグアで有名なのがスペイン語の学校。 多分この小さな町に10以上の学校があり、世界中からスペイン語を習う生徒が集まってくる。 アメリカやヨーロッパの人が南アメリカを旅するのに先ずはここによって語学を 勉強してから、というパターンが多いそうだ。 学費が安いのもメリットだ。 スペインで習うのと比べたら半分以下のお金ですむ。 基本的に個人レッスンでほとんどが午前中の授業。 ここで半年習ったらかなり上達する事請け合いだ。 授業が終わったらサルサのレッスン、夜はクラブでサルサダンス。 ほとんど毎日がこのルーティーン。 ゆっくりと過すには静かでいい町だ。 荷物がトラブラなければもっと好きになったはずだ。
まあ、仕方ないかな。
次回はマヤ遺跡で有名なティカルの話をします。

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