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こんにちは、ホタルです。
今日は台風の話をしますね。
これから秋にかけて台風が日本に向かってきます。
毎年、家が壊れたり、人が死んだり、怖いですね。
日本に近づく台風はだいたい夏から秋にかけてですが、南の海では冬でも発生しています。でも発生してから西に向かって動き、日本の近くには来ないのです。
なぜか?って。うーーん、難しいですね。
冬は発生する場所が低緯度(赤道に近いって事、実際には赤道付近にはコリオリ力が無いので低気圧は発生しませんが)なので東向きに方向を変える転向点に到着するまでに消えて無くなってしまうことが多いからでは?

コリオリ、聞き慣れない言葉が出てきたでしょ、お天気の話をするのに絶対に必要な現象なので簡単に説明します。
仮に、東経140度の赤道上にいる船から真北の東京へ向かってロケットを発射したとします。地球にいる私たちから見れば、ロケットは140度の経度線上をまっすぐに北に向かって飛ぶように見えますが、宇宙にいる例えばスペースシャトルの野口さんが見ると、ロケットは右にカーブしながら飛んでいるように見えるはずです。これは地球が自転しているために起きるコリオリ力の現象で、風の向きも変えられるようなものすごい力なんです。下の絵を見ると分かるでしょ。



さて、台風は熱帯低気圧の一種です。発生する場所によって、西太平洋が台風、インド洋がサイクロン、カリブ海付近がハリケーン、と呼ばれていますが性質はみんな同じです。 では、どうやって出来るんでしょうか。
熱帯低気圧の生い立ちです。
赤道のちょっと上には南半球から赤道を越えて吹いてくる風と北東から吹く貿易風がいつもあります。 この貿易風は一年中爽やかにそよそよと吹いている風で、この風の発見によって コロンブスもアメリカまでたどりつきました。
そして二つの風が衝突して上昇する、熱帯収束帯を作ります。 積乱雲(入道雲)がたくさん出来、塊になると台風の赤ちゃんの誕生です。

空気がどんどんと上昇すると気圧が低くなり、周りから空気が流れ込み、やがて回転を始めます。 流れ込んだ空気は中の上昇気流に乗って上に昇り、冷やされて水蒸気が水になり、その時潜熱という熱エネルギーを出ます。これは熱力学でややこしいので「水蒸気が水になるときには熱を放出する」と覚えてくださいね。
その熱が周りの空気の温度を上昇させ、より一層上昇する力が強まり、周りから吹き込む風も比例して強くなり、風速が決められた値を超えると台風と呼ばれます。 この循環を繰り返して台風は発達します。
台風の情報で中心気圧が凄く低い、例えば950hPa、台風は周りとの気圧の差が激しいので崖の上から物が落ちるような勢いで風が流れ込みます。 車がガソリンで動くように台風は暖かい湿った空気をエネルギーとして動きます。
だから台風が上陸をすると急速にその勢力が衰えるのは、陸上ではエネルギーの供給がなくなるからです、車だってガソリンが無くなると止まりますよね。

熱帯低気圧が出てきたので次は温帯低気圧の話です。
温帯低気圧とは天気予報でよく「東シナ海で低気圧が発生し」といわれるもので、 季節を問わず年中発生して西から東へ動きます。
両方とも同じ低気圧で、風が吹いたり雨が降ったりと現象は同じですが、発生原因や 発達のしかたはまったく違います。
熱帯低気圧のエネルギーが水蒸気だといいましたが、温帯低気圧のエネルギーは南北の温度差で、南の暖かい空気と北の冷たい空気が混ざり合おうとして動きます。 難しく言うと「位置エネルギー」が「運動エネルギー」に変換された、ってこと。 だから温帯低気圧は水蒸気が無くても発達をし、空気の温度差が原因なので前線も伴います。

ではなぜ危険な現象を引き起こす低気圧が出来るのでしょうか。
それは地球の温度を保つ為に必要なことなのです。
前にも話したと思いますが、太陽の熱は赤道に多く集まり、北極や南極には少ししか 届きません。そのままでは低緯度がどんどんと暑くなり、高緯度が寒くなってしまいます。 それで熱の移動が必要になってくるのです。 移動の手段の一つが低気圧で、他にはもっと大きな現象のハドレー、フェレルと呼ばれる 地球規模の熱の循環システムもあります。
お風呂に入るときにお湯をかき回しますよね、あれと同じ。
そうだ、ホタルはお風呂には入りません、月に2回のシャンプーです。
では、また。
ホタル    





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